拍手1

 「サンジ〜、俺もアレやりてぇ、アレ!!」

 くそゴムが飛びついてくる。『アレ』っつぅのは何だ?

「だからさ、ほら、ゾロを足にのっけてドカ〜〜〜ン!と蹴ったヤツ。あれ、すっげぇ飛んだだろ〜」

 ああ、アレね。

「すごかったよな〜。アレだろ?『アレまぁこりゃシュート』!」

 ・・・こら、違うだろ、長っ鼻。

「全然ちがうわよ〜、ウソップ!」

 さすが、ナミさん!ちゃんと聞いてくれてる。

「『歩く踊〜るパワーシュート』よ!」

 ・・・・俺、涙していい?

「ふん」

 剣豪野郎が鼻で笑った。なんだ、こいつ・・・・・だけどよ、そういやぁこいつが一番近くで聞いてたんだよな。

「こら、くそマリモ。ナミさんに対する無礼を詫びて、正解を言ってみろ」

「アホ。飛んでた俺に聞こえるかよ」

 期待した俺が間違ってたよ。

「な〜んだ、おもしれぇ名前のわざだったんだな〜、アレ」

 一人で納得して笑ってやがる麦わら野郎。くそ。そんな嬉しそうに笑うんじゃねぇ。

 結局、長っ鼻も非常食も加わって、『見張り台一直線』ごっこをやることになっちまった。・・・・どういうネーミングだよ、これは。

 100発100中で蹴り上げてやると、喜びの歓声が響き渡る。
 ま、たまにはいいか。仲間は全員無事だったんだしよ。
 次の島まで、いい暇つぶしだ。

2005.5.26

過去の拍手SSです
「空軍パワーシュート」にしびれてました
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