「サンジ〜、俺もアレやりてぇ、アレ!!」
くそゴムが飛びついてくる。『アレ』っつぅのは何だ?
「だからさ、ほら、ゾロを足にのっけてドカ〜〜〜ン!と蹴ったヤツ。あれ、すっげぇ飛んだだろ〜」
ああ、アレね。
「すごかったよな〜。アレだろ?『アレまぁこりゃシュート』!」
・・・こら、違うだろ、長っ鼻。
「全然ちがうわよ〜、ウソップ!」
さすが、ナミさん!ちゃんと聞いてくれてる。
「『歩く踊〜るパワーシュート』よ!」
・・・・俺、涙していい?
「ふん」
剣豪野郎が鼻で笑った。なんだ、こいつ・・・・・だけどよ、そういやぁこいつが一番近くで聞いてたんだよな。
「こら、くそマリモ。ナミさんに対する無礼を詫びて、正解を言ってみろ」
「アホ。飛んでた俺に聞こえるかよ」
期待した俺が間違ってたよ。
「な〜んだ、おもしれぇ名前のわざだったんだな〜、アレ」
一人で納得して笑ってやがる麦わら野郎。くそ。そんな嬉しそうに笑うんじゃねぇ。
結局、長っ鼻も非常食も加わって、『見張り台一直線』ごっこをやることになっちまった。・・・・どういうネーミングだよ、これは。
100発100中で蹴り上げてやると、喜びの歓声が響き渡る。
ま、たまにはいいか。仲間は全員無事だったんだしよ。
次の島まで、いい暇つぶしだ。